TOP PAGE MACHINE EVENT TEAM

NEWSMAIL -ニュースメール-
Vol.94 2012年9月大会報告号

TEAM

KF-10プロジェクトリーダー山端の総評です。

リーダー総評

山端 久仁子(プロジェクトリーダー 法学部政治学科3年)

今回、自工研活動と第10回全日本学生フォーミュラ大会について、振り返っていきたいと思います。

まず、自工研の活動に関してですが、今年2月からプロジェクトリーダーとして活動していました。 しかしながら、9月のプロジェクト開始当初はそこまで活動に入れ込む予定はなく、 マネジメント班としてすべきことを最低限こなしていけばいい、と考えていました。 そのため、最初は自分たちのプロジェクトという意識が低く、たくさんの方々にご迷惑をおかけすることとなってしまいました。 未だに、あの時真剣に取り組めばよかったと後悔しています。 しかし、完璧主義な性格と勝気で勝負事が好きな性格が幸い(災い?)してか結果として活動に対して自然と真剣になってしまうこととなりました。 まず、マネジメント関連の書類などがあまり良い状態で保存されていなかったため、それらを整えることから始まり、 1日中自工研の活動をしているような日々が始まっていきました。 そして、「良い成績を残したい」と私はいつしかそのことしか考えられなくなってしまいました。 もちろん、KF-10のチームは当初から技術力・経験に関して未熟なチームであることは重々承知していました。 そこで、私は車両の運用能力を上げることでカバーできる部分も大いにあるのではないかと考えました。 松川には空燃比セッティングを担当者として徹底的に行うことをお願いし、サスペンションセッティングに関しては現役だけで行うことは 難しいのではないかと判断し、OBの方々、諸先輩方に協力を要請しました。 今までたくさんのことをアドバイスしてくれた、OBの桑原さん、高山さんには心よりお礼申し上げます。 しかし、現実はそこまで簡単なものではありませんでした。夏の富士試走会では当会のマシンは速さに欠け、 他大と大きな差をつけられてしまいました。 今までやってきたことがすべてガラガラと音を立てて崩れて行くような感覚でした。 大会でリタイヤしてしまったことは、もちろんとっても悔しかったですが、それ以上のものがありました。 そういった状態で富士試走会を終え、仕切りなおす必要がありました。 そして、富士試走会での反省点であった整備不良をまず徹底的になくすよう心がけるようにし サスペンションのセッティングについてまた1からやり直すこととしました。 夏の中旬頃は毎日毎日走行試験に行き、サスペンションセッティングを煮詰めました。 皆、8月の暑い中嫌な顔ひとつせず走行試験に参加してくれ、この時2年生には心より感謝しました。 こんな優秀な後輩は後にも先にも存在しないと言い切れます。 同期の松川も、ひとつひとつのことに関して妥協無い姿勢で、真剣に取り組んでくれました。 皆が皆、同じ目標に向かっているということを感じられたことがリーダーとして、非常に嬉しかったです。 こういった感情は、組織の中で感じることがなかなか難しいものだと思います。 そして大会前最後の試走会となるもてぎ試走会を迎えました。そこでは、サージタンクとフレームにクラックが入ってしまい、 修理に大幅に時間を取られることとなりました。 このサージタンクはもてぎ試走会直前に従来使用していた吸気に不具合が生じ、 急遽2日間ほどで作り直したものであり、ある程度仕方がないと感じておりました。 走行が限られてしまったことは反省点ですが、タイム的には全体の4番手ほどで悪くはないと感じておりました。 しかし、上位校との差が大きいということはやはり変わらずでした。

そして迎えた第10回全日本学生フォーミュラ大会。 エンデュランスをリタイヤすることとなり、総合成績39位という結果となりました。 結果じゃなくて過程が大事という考え方もあります。大会が終わった直後はそう言って自分自身を納得させようとも思いました。 でも、私はやはり結果ありきだと思います。モータースポーツを見ていると過程がいかによくても結果が残せず 解雇されるプロドライバーはたくさんいます。 結果を残せなかったことはやっぱりとても悔しいですし、納得できないです。 原因としては点火系の断線でした。ECUの不具合が少なからず影響した可能性もあるようで、 事前にとても見抜きにくいトラブルでした。事実、当初は順調に走行を重ねていました。 しかし、いろいろな手段を取ることは、できたと思います。 あの時、自分がこう指示しておけば、提案しておけばと何回も何回も考えました。 トラブルが起きて、リタイヤしてしまったことはまさにプロジェクトリーダーの私の力量不足が原因です。 応援していただいた皆様、本当に申し訳ありません。

総合成績はとても納得できるものではありませんが、嬉しいことが2つ、ありました。 1つはコスト審査で第3位という結果をいただけたことです。 コスト審査においても当会は主力で担当したものが現役メンバーにおらず、とてもとても心配しておりました。 まず日程を決め担当者を割り振り、徹底的にチェックをし、些細なミスを減らそうと思いました。 また、例年より人数が多いことを生かし、補足資料を充実させようと考えました。 そして、第3位という結果を受賞できたのは、KF-09までコスト審査を担当していた大草先輩の助力が大きいです。 たくさんのご迷惑をおかけし、私自身もお願いばかりでこんなに先輩に迷惑をかけていいものかと 随分悩みました。しかし中途半端に頼って悪い結果を出すよりは、しっかり頼って良い結果を出し、 大草先輩に表彰台に乗っていただこう、と決意しました。 2年生がしっかりとしたコスト審査ヘ向けての資料を作成してくれたことも第3位という結果に貢献してくれました。 一緒に何回か徹夜してくれた松川の丁寧で見やすい資料も結果に結びついたことだと確信しています。 そしてもう1つは、当会で初めてスポーツマンシップ賞を受賞できたことです。 第39位では、表彰台に乗ることなどできません。 しかし、スポーツマンシップ賞を受賞できたことで、夢の場所であった表彰台にあがることができました。 当会メンバーの丁寧な態度がスチュワードの方々に評価されたのではないかと思います。

最後に、約半年間プロジェクトリーダーとして活動してきましたが、リーダー交代という事態を起こしてしまい、 たくさんのご迷惑を皆様におかけしてしまいました。 マネジメント班所属の、法学部政治学科の、しかも女子部員が自工研のリーダーをやることに違和感を感じた方もたくさんいると思います。 事実、私がリーダーにふさわしかったかどうかというと、自信がありません。 私は製作や整備を実際に行うわけではありませんでしたので、車両を自分自身でいじることはできませんでした。 そこがとてももどかしく、悔しいところでした。 自分がなんとかできれば、自分が...と何度も何度も何度も思いました。 製作の手伝いを昔から少しでもしていれば、同期の松川のことを少しでも手伝うことができたのではないかと、 松川と2人きりで夜中に活動しているときにひしひしと感じました。 製作班を希望する後輩たち、特に1年生は自分から積極的に製作作業に参加するといいと思います。 実力、経験がなくて車両が十分にいじれないということは、とても悔しいものです。 事実、今の2年生はやる気のある後輩はしっかり受け止めてくれると思います。 私達と同じような苦労は、絶対に味わわせたくありません。 そしてさまざまなプライベートを犠牲にしたこともあり、 普通の女子大生になりたい、友達といっぱい遊びたいと思ったことも何度かありました。 でも、思い返すとやっぱり学生フォーミュラ活動が好きだったなと思います。いろいろな経験をできた 学生フォーミュラ活動には大変感謝しています。 そして、その活動を支えてくださったスポンサーの皆様、OB・OGの皆様にはお礼申し上げます。 先輩方には製作・運営面で実践的なアドバイス、献身的なサポートをいただき、本当にありがとうございました。 後輩の皆にはたくさんの迷惑をかけてしまい、無理矢理なこと言ったり、怖かったりして本当にごめんなさい。でも、ありがとう。とっても感謝してます。そして同期の松川には本当にいろいろ迷惑かけっぱなしでしたが、最後まで2人でやり遂げることができて、感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだ未熟で向上の余地があるチームですが、今後ともどうぞ温かいご声援のほどよろしくお願い申し上げます。

(山端)

編集後記

ニュースメール編集担当の山端です。第10回全日本学生フォーミュラ大会が終わり、早くも1ヶ月が経とうとしております。すっかり朝晩は涼しくなり、秋らしさを感じています。大会を終えプロジェクトの一線を退いたということで、最近は現役時代になかなかできなかった英語の勉強をしたり、久々に旧友に会ったりと充実した日々を過ごしております。

さて、今回で私はニュースメールの編集担当を退くこととなりました。後任は、理工学部1年深町展夢(ふかまちひろむ)となりました。来月10月号からは深町展夢がニュースメールをお送りいたしますので、どうぞ宜しくお願いします。

また、1年間たくさんのご声援をいろいろな方々から頂き、私自身大変励まされました。誠にありがとうございました。

今後とも慶應義塾自動車工学研究会を宜しくお願い申しあげます。

(山端)

徒歩は嫌いです。

NEWSMAIL -ニュースメール- Vol.94 2012年9月大会報告号を最後までご覧いただき、ありがとうございました!

TOP PAGE MACHINE EVENT TEAM