TOP PAGE MACHINE EVENT TEAM

NEWSMAIL -ニュースメール-
Vol.74 2010年9月大会報告号

TEAM

KF-08プロジェクトリーダー高山の総評です。

リーダー総評

2009年9月、第8回全日本学生フォーミュラ大会において、エンデュランス完走・総合10位入賞を目標とし、KF-08プロジェクトはスタートしました。先々代のプロジェクトKF-06より続く、車両の小型・軽量化というコンセプトの下、四気筒から単気筒へとエンジン変更を行ってから3代目のプロジェクトとなりました。私自身、ちょうどKF-06の代における新入生ということで、KF-06、07、08と車両の設計・製作に関わってきたため、KF-08は私にとって集大成のプロジェクトとなりました。

KF-08は車両熟成・ドライバー練習期間の確保を目的とし、2010年3月初旬のシェイクダウンを目標としました。2009年9月の第7回大会終了からシェイクダウンまでは実質半年もないため、車両の設計・製作を行うメンバーが他チームに比べて極めて少人数であることを考えると、設計変更・作り直しは最小限に抑え、シェイクダウン後に新製作の部品を投入できるような流用可能な設計を行う必要がありました。開発のベースとしたKF-07は大会や試走会にて高い走行性能を発揮していたものの、マシントラブルによるエンデュランスリタイアなど、信頼性面では大きな問題を抱えておりました。そのため、大会での総合成績10位以内・エンデュランス完走という目標の達成にあたっては、絶対的な信頼性の確保が最優先事項でした。走行性能・信頼性の観点からKF-07の改善点・改良点を洗い出し、KF-08の設計へと反映させました。設計の終了した部品から順に製作作業に移り、設計・製作を同時進行で車両製作を進めていきました。シェイクダウンまでの日々は連日、夜遅くまでのハードワークをこなしました。その甲斐あって、設計・製作は順調に進んでいき、2010年3月13日に目標通りシェイクダウンを達成することができました。KF-07において発生したトラブルに対して、万全の対策をもとにした設計・製作を行った甲斐もあり、KF-08はシェイクダウン時からトラブルが少なく、KF-07に比べ、信頼性の面で大きく前進することができました。走行性能の面でも、コーナリングにおいて明らかな改善が見られました。

4月になり、新入生を迎えました。新入生を指導する傍ら、静的審査の準備や、走行試験をもとにした車両の改良作業をしていきました。静的審査では昨年度の反省をもとに各レポートの作成を進めました。コストレポートでは2年大草を中心として、作成を進めました。提出締切直前は2日連日徹夜での作業となりましたが、眠気と闘いながらも皆で楽しく作成をしました。レポートのページ数は昨年の約300ページから約800ページへと大幅にページ数が増え、レポートの質・内容ともに昨年度から大幅に向上したと思います。大会の当日審査でも、「わかりやすいレポート」との好評を頂き、見事コスト審査4位を獲得しました。各レポートの提出が終わり、すぐに期末試験・夏休みとなりました。夏休みに入ると、恒例の富士試走会を初めとする試走会へ向けた準備や、破損個所の修理、新パーツ・予備部品の製作にあたりました。シェイクダウンからあまり大きなトラブルのなかったKF-08でしたが、富士試走会では大きなトラブルに見舞われてしまい、走行距離を伸ばすことができませんでした。続くもてぎ試走会では、富士試走会にて発生したトラブルから改良を加えたため、車両自体に大きなトラブルはなかったものの、ガス欠やバッテリー切れなど些細なトラブルやその他コーストラブルから、同様に走行距離を伸ばすことができませんでした。ですが、富士試走会のトラブル以降KF-08の信頼性はさらに向上しました。夏休み後半の走行試験ではほぼノートラブルで、エンデュランス完走に向けて大きな自身を持つことができました。

そして迎えた大会ですが、私自身リーダーとして大会に臨むということで、昨年までとは違った形で臨むことになりました。昨年までは車両整備ばかりやっていたのですが、今年は主に指示だしをしておりました。富士試走会・もてぎ試走会を終えて2年以下のメンバーは大きく成長しました。ほぼ全ての整備を2年生はできるようになり、KF-08の絶大な信頼性もあって、大会会場で私が車両の整備をする時間は、昨年度よりも大幅に減ってしまいました。技術車検も一発で通過することこそできなかったものの、かつてないほど楽に通過することができました。台風の影響で、その日のうちに技術車検以降のブレーキテスト、騒音試験などを受けることができませんでしたが、翌朝のうちにそれら試験を済ませ、動的審査に臨むことができました。大会2日目から続く雨の影響で、その日の競技はKF-08本来の性能を発揮することができませんでしたが、それは他チームも同じことで結果は真摯に受け入れるべきかと思います。大会4日目は、我々が4年連続でリタイアを喫しているエンデュランス競技が行われました。昨年と違い、大会期間中ここまで車両はノートラブルで、完走できるという自信はありました。しかし、昨年もいけると思った末のリタイアだったために、正直言って不安でした。昨年度リーダーでエンデュランスドライバーの桑原も不安だ、不安だとこぼしておりました。そして、いよいよ出走となりました。4年連続リタイアの鬱憤を晴らすかのように、KF-08は快走しました。ラップタイムも上位チームと遜色ないタイムをたたき出すことができ、無事完走することができました。完走の瞬間は感無量でした。自工研での3年間色々なことがありましたが、最後までこの活動を続けてきて良かったと心から思いました。完走後のピットは非常に盛り上がり、皆で完走の喜びを分かち合いました。

さて、プロジェクト全体を振り返ってみると、途中でリーダー交代という異例の事態がありました。前リーダーらと私との、活動方針・スタンスの違いに起因するすれ違いが限界に達したためでした。メンバー全員で話し合い、活動方針や目標の再確認をし、私がリーダーを務めることになりました。リーダーになってからの日々は多忙の極みでしたが、メンバーは皆志が高く、私についてきてくれました。極めて少人数での活動でしたが、まさに少数精鋭でした。リーダーとして頑張れたのは心強いメンバーたちのおかげです。本当にありがとう。コストレポートや夏休み中の車両整備など、徹夜になることも多くありました。昨年度プロジェクトでは、このような時、ガレージには私と桑原の二人だけということが非常に多く、とてもチームとは言い難く、チームの一体感というものは皆無でした。しかし、今年は違いました。数多くの夜を多くのメンバーと共にガレージで過ごしました。本来なら、このようなことはスケジュール管理の甘さからくるもので、避けるべきことです。しかし、これによってチームに確固たる一体感が生まれたのは確かだと思います。辻先輩はチームの雰囲気は今までの中で最高のものだと、よく言ってくださいました。私自身、KF-06、KF-07と経験してきて、リーダーになってからの半年間は一番大変ではありましたが、一番楽しい半年間でした。過去最強のチームだったと思います。最後にこのような経験ができて、私は幸せでした。エンデュランス完走という4年越しの悲願も達成できました。この結果はまさにチーム一丸となって勝ち取ったものだと思います。逆に言えば、チーム一丸とならなければ大願は達成できないのかもしれません。

最後になりましたが、温かいご支援・ご声援頂いたスポンサー様、OB・OGの皆様、先生方、実習工場の皆様をはじめとする学校関係者各位の方々、直近の諸先輩方にこの場を借りて深く御礼申し上げます。1年間本当にありがとうございました。

(高山)

編集後記

いつもOBやスポンサーの方々にお世話になっております、ニュースメール等担当の小沢真純です。

私は諸事情により今年の大会には参加せず、大会期間中はウェブページやブログを通してチームを応援する形になっていましたが、目標としてきたエンデュランス完走を果たすことができ、大変嬉しく思っています。総合成績13位を収めることができたのもメンバーの日ごろの努力の積み重ね、そしてOBおよびスポンサーの皆様のご支援があってこそだと感じています。今年の大会で完走できたことを機に、新たな目標を設定し更に強いチームになっていけるよう、メンバー一同頑張っていこうと思います。

さて、私はニュースメールを昨年の大会後に引継ぎ、65号から74号までを担当してきました。約1年やらせていただきましたが、来月からは次の担当者に引継ぐことにしました。今まで関係者の皆様には大変お世話になりました。不備やご迷惑をおかけしましたが、多大なるご支援、ありがとうございました。担当者の変更に伴いウェブページ全体もより良いものへと進化していくと思いますので、今後もチームを見守っていただきますようお願い申し上げます。

今まで、ありがとうございました。

(小沢)

NEWSMAIL -ニュースメール- Vol.74 2010年9月大会報告号を最後までご覧いただき、ありがとうございました!

TOP PAGE MACHINE EVENT TEAM