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Vol.74 2010年9月大会報告号

EVENT

大会結果報告

大会成績

[静的審査]
デザイン   92.0点
/ 150.0点
19位
コスト   71.2点
/ 100.0点
4位
プレゼンテーション   45.00点
/ 75.00点
19位
[動的審査]
アクセラレーション 4.833秒(磯出走) 42.59点
/ 75.00点
14位
スキッドパッド 6.845秒(磯出走) 2.50点
/ 50.00点
11位
オートクロス 66.639秒(桑原出走) 70.11点
/ 150.00点
33位
エンデュランス 1305.408秒
(パイロンタッチ、
コースアウト補正後)
(桑原・野口出走)
245.48点
/ 300.00点
13位
燃費 2.959リットル
(桑原・野口出走)
67.85点
/ 100.00点
17位
[総合]
    636.73点
/ 1000.00点
13位
/ 70チーム

車検

例年我々は前日車検を受験しておりますが、今年度は大会初日にデザイン審査があり、前日車検を受験することができませんでした。そのため、我々は2日目から技術車検を受けることとなりました。

2日目の朝9時から技術車検を受けることになり、車検では2点ほど指摘を受けたものの、直ちに修正し、午前中には技術車検をパスすることができました。ところが、2日目午後から台風の影響で雨に見舞われ、午後に受験を予定していたブレーキテスト・騒音・チルト等の車検項目は3日目以降に延期されることとなりました。

3日目は午前からアクセラレーション・スキッドパッド等の動的審査が開始されるため、両競技で得点するには、動的審査開始までにブレーキ・騒音・チルト試験をクリアすることが必須となります。また、前日に技術車検をクリアしている大学が多数あるため、混雑することが予想されました。そのため、2日目よりも30分ほど早く会場に到着し、車検へ向けて準備を行いました。

その甲斐あって、混雑する前に全試験をパスすることができ、ロスなくアクセラレーション・スキッドパッドへ向かうことができました。過去に比べ迅速に車検の準備・車両修正が行えるようになってきているのはチームの総合力が前進してきている証拠だと思います。

(高山)

静的審査

デザイン審査

デザイン審査は事前に提出したデザインレポートをもとに、当日は主にマシンについて15分間のプレゼンテーションと10分間の質疑応答が行われました。

プレゼンテーションについてはKFー08の各設計における工夫点などをリーダーの高山が発表し、その後パートごとに別れ、ボディを高山、シャシーを桑原・磯、パワートレインを野口として審査員との質疑応答に入りました。私が担当したシャシーでは、KF-08のサスペンションアームやマスダンパー、アッカーマンなどについて次々に質問されました。思い返してみると、それらに対する応答のほとんどを桑原先輩に頼りがちになり、自身の知識不足を実感しました。

結果的にデザイン審査は19位と満足のいく結果とはなりませんでしたが、次の大会では設計者としての自身を持ってマシンを強くアピールし、上位に入れるよう努力したいと思います。

(磯)

コスト審査

ルール変更の影響でそれまでのノウハウが無効化されたことにより、低迷を余儀なくされたコスト審査ですが、今年は上位に返り咲くことができました。前回特に成績を低下させた原因である「レポートの正確性」において得点を稼ぐことができたのが成績上昇の最大の要因でした。

レポートのフォーマットに工夫を施して効率的にレポートを作成できるようにしたこと、レポートの書き方をルールに照らして違反が無いように検査したことや図面など裏付け資料を拡充したことなどによってレポートの完成度を増しました。この高い完成度から審査当日の審査員の質問にも的確に対応することができたと思います。反面、審査当日に指定された部品のコスト15%削減の手法をプレゼンテーションする「リアルケースシナリオ」ではルールの隅をついたような削減手法しか提示できず、課題が残りました。

来年こそはこの審査で何度も素晴らしい成績を残した先輩方に恥じないよう、表彰台に上りたいと思います。右も左もわからなかった私にコスト審査のノウハウを授けてくださった高屋先輩、辻先輩、嫌な顔一つせずレポートや図面を書いてくれた高山さんをはじめとするチームメンバー、協力してくださった皆様全員に御礼申し上げます。

(大草)

プレゼンテーション審査

今回のプレゼンテーション審査は甘さが目立ったものとなってしまいました。準備を開始した時期が遅れてしまったことがそもそもの失敗の始まりだったように思えます。準備の遅れから、アイデアを出し合い、新しいコンセプトから企画を構想することができず、結局好成績を収めた前回大会のものをベースに構想することとなってしまいました。また準備の遅れはデータの収集にも影響し、プレゼンテーションに使用した数字の中についぞ明瞭にすることができないものもありました。自分の言葉から作られたものではなく、データも明瞭でないものがある状態だったので、自信をもって望めたかというと、それは嘘であったように思えます。審査の最後にある質疑応答ではその自信のなさを見透かされたように、審査員からは厳しい質問が投げかけられ、満足いくような回答をすることができませんでした。

来年は独自性を持ち、万全の準備を行ってプレゼンテーション審査に臨みたいと思います。協力をしてくださった皆様には大変申し訳ありません。そしてありがとうございました。

(大草)

動的審査

アクセラレーション

アクセラレーションの走行ではコース上にいくつかの水たまりがありましたが、路面の大部分は乾いていたためスリックタイヤで走行に挑みました。この競技に関しては大会前のツインリンクもてぎでの試走会などで良いタイムが出ていたために、大会本番では大きな自信を持って競技に挑みましたが、結果は4.833秒で14位という不本意なものとなりました。原因はシフトチェンジのタイミングにあり、練習の成果を本番で出すことができず大変悔しく思います。次の大会でも同競技を走行する機会があれば、次は必ず上位に名を連ねたいと思います。

(磯)

スキッドパッド

競技当日は不安定な天候のために、雨が降る前に競技を終えようとアクセラレーションの競技後に休む間もなくスキッドパッドの走行を開始しました。

競技の一本目では、ヘルメットのシールドが曇ってしまい、コース上のパイロンが見えず走るのが困難な状況下でスタートを切りました。結果、コース上でのエンストに引き続きコースアウトを喫したため、一本目の走行は完走せずに諦めて、すぐさま二本目のスタートにつきました。しかしながら、二本目のスタート直前に雨が降り出してしまい、一本目に引き続きスリックタイヤを履いたままスタートを切ることを強いられました。シールドの曇りに関してはシールドを少し開けたまま走行しても良いということで解消されましたが、この競技で点数を獲得するためには悪い条件下でも何としても完走をせねばという思いがありました。アクセルを踏み込めばすぐにスリップを喫する条件下であるため、スタートと同時に適切なギアを選び、アイドリング走行により一定の速度を保ちながらのブレーキワークとわずかなアクセルワークにより、完走を果たすことができました。結果は6.845秒であり、タイムによる点数を得ることはできませんでしたが、完走によるわずかな点数を得ることができました。

この競技で難しい条件下での走行を果たせたことはドライバーとして大変自信になりました。次の大会でも同競技の走行機会があれば、攻めの走行によりタイムで点数を稼ぎたいと思います。

(磯)

オートクロス

今回のオートクロスは、雨が降ったり止んだりを繰り返すという、非常に微妙なコンディションでした。出来るだけ路面が乾いた状態でアタックするために、出走時間終了直前まで様子を見ました。しかし、雨は止んでいるものの、コースにはドライとウェット、さらには水溜まりが混在するという状況でのアタックとなりました。難しいタイヤ選択を迫られましたが、コースを一望できるスタンドと無線でのやり取りを繰り返し、第一走者の桑原はレインタイヤを履いてアタックすることになりました。

桑原は、不慣れなウェット路面とレインタイヤという悪条件の中、安定した走りで1分6秒というタイムを出しました。第二走者の野口は、このタイムを上回るべく、一か八かドライタイヤを履いてアタックしました。しかし、予想以上にコントロールが難しく、それに対処する技量も持ちあわせていなかったためコースアウトを喫し、その時点でタイムの更新は不可能となりました。

ドライ路面では非常に速いマシンであっただけに、運転技術不足によって上位チームから離されてしまったことは、ドライバーとして悔しいですし、重く受け止めなければなりません。来年は、オートクロスでも高得点を獲得出来るよう精進します。

(野口)


エンデュランス

雨の影響で前日の成績が振るわなかったため、エンデュランスは大会4日目昼過ぎの出走となりました。オートクロスでは深い水溜まりの残る路面での走行を強いられ、ウェット路面にドライバーが不馴れであったこともあって、KF-08本来の走行性能を発揮できず少なからずチームに失望感が漂っていました。しかし一転、エンデュランス当日は早朝に小雨が降ったのを最後に晴天となり、中盤過ぎの出走となった我々にとって非常に有利な展開となりました。出走までの時間はチームリーダーの高山の判断で、出力重視、燃費重視と2種類ある空燃比マップをプラクティスエリアで入念に比較することに費やすこととし、加速時の応答性に優れるというドライバーからのフィードバックにより、前者のマップで競技に挑むこととなりました。

過去4回連続でリタイアを喫しているエンデュランスだけに、また、2、3年生を中心に1年間並々ならぬ努力を積み重ねてきただけに、出走を待つ列に並んでからはチーム全員不安を隠しきれない様子でいました。かくいう私も、出走順と天候が過去2大会と似かよっていたことから、リタイヤの記憶が思い起こされ非常にナーバスになっていました。私の走行後にチェッカーまで走りきらなければならない第2走者の野口も、前日のオートクロスでの悪いイメージから脱しきれていない様子で不安げにしていましたが、永遠にも感じられた出走までの待ち時間がおわり、14時56分、昨年のような直前のトラブルに見舞われることなく、いよいよ走行が始まりました。

直前までの不安をよそに、コースに出たKF-08は前日の濡れた路面での動きが嘘のように路面に吸い付くように走り、1周目から1分フラットという上位チームと同等のタイムを記録します。2周目からはさらにタイムを刻み、58秒というトップに追いすがる好タイムを更新。直前のアイドル調整が裏目に出てシフトダウンがしづらい状況ではありましたが、リアがブレークしやすかった昨年の挙動をもとに試走会から組み立てたセッティングが大会コースで見事に決まり、コーナー半ばから安心してアクセルを踏み込める上、コーナー入り口では強く短い安定した減速ができ、さらに軽量かつ超低重心な車体の素性も活きて、抜群のコーナリングスピードを発揮しました。3度目にして初めてエンデュランスでの走行機会を与えられた私が嬉しさのあまりつい飛ばしすぎ、かなりのパイロンに接触してしまいましたが、車両自体の走行性能の高さは、タイムはもちろん競技が終了するとともにピットにこちらが驚くほど大勢の方々が見学に訪れて下さったことからも明らかでした。

車両のスピードが極めて速かったため、予想以上に運転操作が忙しくなり、唾を飲み込む暇もなく6周ほどした辺りから喉が詰まって息が続かなくなりましたが、幸か不幸か前走車に追い付き半周ほどペースを落として走行したため、ドライバー交代まで息をもたせることができました。そんな状態であったため、コース脇のチームメンバーの様子を見る余裕はありませんでしたが、計測ライン横でリーダーがガッツポーズで「58秒」と表示したサインボードを掲げているのはよく見えていたため、この3年間の鬱憤が払拭されるような思いで痛快に運転することができました。相変わらずパイロンへの接触が多く、ある意味で4年目の集大成となるようなドライビングになりましたが、マシンのスピードをアピールする役目は全うできたようで安心しました。

無事ドライバー交代を終えると、パイロンを飛ばしすぎた私とは対照的に、第2走者の野口は驚くほど安定した走りを見せます。1周目のタイムは1分6秒ほどで、その後も同等のペースを保って着実に周回を重ねていきました。本人いわく、1周目で自分のイメージよりも良いタイムが出たため、完走を最優先して無理をせずそのままのペースで走行することにしたということでした。ゴールまでの残り数周はチーム全員祈るようにマシンを見守っていましたが、野口は後に疲労でペダルを踏むのもやっとだったともらしながらも、最後の周まで1つたりともパイロンに触ることなく走りきり、チームは見事5年ぶり3度目となるエンデュランス完走を果たしました。

ゴールのあとはチーム全員歓喜に沸きましたが、とりわけ昨年の悔しいリタイヤを経験してから1年かけてマシンを作り上げ、チームをマネージメントしてきた2、3年生の喜びはひとしおであったことでしょう。1年生は初めての大会で勝手が分からないながら、上級生をサポートする中で完走の喜びを共有できたのではないでしょうか。そして特にチームリーダーを務めた高山は、マシン製作以外にもこの3年間多大な苦労を経験してきただけに、最後の最後で努力が報われほっとしたことでしょう。エンデュランス完走は、彼のまとめたチームの総合力の結果に違いありません。

私にとってもエンデュランス完走は4年間の自工研生活で初めての体験です。自らはもちろん、多くの先輩方がどんな思いでこれまでのリタイヤを経験してきたかよく知っているつもりでしたし、また後輩たちがどれほど苦労して今年の車両を仕上げたかも分かっているつもりでもあったため、最終的にエンデュランスを走りきることが出来て、嬉しくてなりませんでした。応援に駆け付けた先輩方も同じ心もちだったことでしょう。

最後の騒音検査で計測方法をめぐって多少の混乱がありましたが、これも無事通過し、エンデュランスの成績は燃費競技を含めて13位となり、300点を越える大量得点を獲得。総合13位獲得に大きく貢献しました。

来年度はこの成績を越えるべく現1、2年生を中心に挑戦を続けることになると思いますが、好成績をプレッシャーに感じることも、おごることもなく、手を抜くことだけはないよう、厳しくも楽しい学生フォーミュラ活動を納得のいくまで満喫してくれればと思います。がんばれ!

(桑原)


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